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アブドゥルアジーズ・トルキスターニ 氏
「来て、見て、サウジの人に会って欲しい」

駐日サウジアラビア王国特命全権大使
アブドゥルアジーズ・トルキスターニ 氏

今年(2010年)のブックフェアのテーマ国はサウジアラビア。巨大なパビリオンで出展、人文社会、教育、児童書などを中心に同国の600点の本を展示、また、連日セミナー・イベントも行われます。今回のインタビューではアブドゥルアジーズ・トルキスターニ駐日サウジアラビア大使と文化アタッシェ、イサム・ブカーリ氏に出展について流暢な日本語でお話いただきました。

■ “石油”ではないサウジアラビア

- ブックフェアに出展する目的は?

大使 : サウジアラビアはどういう国かという紹介をしたいと思っています。サウジアラビアの文化と文明はどういうものなのか?今まで、サウジアラビアは石油、広い砂漠、お金持ちというイメージだったと思います。我々も逆に日本のことは何も知らなかった。富士山とか芸者とか、エコノミックアニマルというイメージとか。今はインターネット時代で情報のグローバリゼーションが進み、お互いのことをだんだんとわかってきたんですね。ですので、今回のブックフェアは、サウジのことを日本に紹介する、すごくいいチャンスだと思っています。

二番目はサウジの人間を知って欲しい。サウジアラビアの人も日本人と同じ人間だよということを話すチャンスがなかった。日本人と同じように笑ったり、泣いたり、良い人もいますし、悪い人もいます。経済やビジネスの関係だけでなく、人間の心と心の関係を中心にしていきたいんです。私は、30年前に静岡県焼津にホームステイしていたんですが、その時の人と人との優しい関係は30年経ってもまだ忘れていない、スイートメモリーです。だから、これからの時代はそういうヒューマニティックなライフを大切にしなければならないと思っています。

そして、三番目。サウジアラビアの本を日本の出版社に翻訳出版していただきたい。ブックフェアはアラブ諸国の出版社と日本の出版社が出会う、めったにない、いい機会ですね。ご存知のとおり、アラブの文化、イスラムの文化はとても古いんですよ。文化、文学、詩、歴史などそういう本がいっぱいあります。日本の出版社にはできるだけ、来て、見て、サウジの人に会ってほしい。我々が今出している本の3割以上は英語とフランス語に翻訳しているんです。日本の出版社の方に、サウジの出版社と会って、歴史書や短編物とか、とにかくオリジナルソースからとって翻訳してほしい。たまたま先日、新宿の紀伊国屋に行きましたが、アラビアのコーナーは少ないですね。ほとんどないと言ってもいい。ブックフェアは我々にとっては、日本にサウジを紹介するグッドチャンネルじゃないかなと思います。今年だけじゃなく、来年以降もブックフェアに参加して、サウジの出版社を紹介していきたいと思います。

■ 「人は亡くなると土に返り消えてしまうが、本は永遠に生き続ける」

- 大使は知日家で、本も執筆されていましたよね?

大使 : 私は30年前に静岡にホームステイをして、早稲田大学では広告やマーケティングを勉強しました。なぜ日本を選んだのかというと、日本は戦後再び復興を遂げ、文化を守りながら文明国になった。そして人間をとても大切にして育ててきた。そういうことがすごく勉強になるんじゃないかと思ったんです。その経験から、『サウジから見た日本』というサウジの目から見た日本人、文化、文明、ビジネスを書きました。日本についてアラビア語で書いた本は初めてじゃないかなと思います。この「友好的な日本のシリーズ」は7冊出ていますが、今度、私は日本とアラブのことわざの比較をするという本を出したいと思っています。面白いでしょ?ことわざを勉強すると、日本の文化も分かってくるし、考え方が分かりますよね。
アラブにもいいことわざがたくさんあります。
「人は亡くなると土に返り消えてしまうが、本は永遠に生き続ける」
いい言葉でしょう?

イサム・ブカーリ 氏
「TIBFに向けて2つの書籍をつくりました」
サウジアラビア王国大使館 文化部
文化アタッシェ
イサム・ブカーリ 氏

■ 『サウジアラビアと日本 -その素顔と絆-』

- 今回何百と本を展示される中で、特におすすめの本はありますか?

ブカーリ氏 : 特に注目いただきたいのは、今回のブックフェアに向けて作った2冊の本です。1冊目は『サウジアラビアと日本 その素顔と絆』。70年にわたってアラブ・イスラーム諸国と関わってこられた日本人のアラビストの方や、在サウジ日本大使や在日サウジ大使を務めた方々に両国の関係について語っていただいています。もう一冊は『日本に生きるイスラーム-過去・現在・未来-』。イスラームがどのように広がったのかという話にとどまらず、日本におけるイスラームの歴史、戦後または戦前の話、日本とイスラーム世界の未来についても書かれています。どちらとも大変興味深い内容となっており、新しい発見があるのではないかと思います。

上記2冊は共に、シンポジウムにお越し頂いた方に配布を予定。

- シンポジウムについて教えてください。

ブカーリ氏 : 『アブドゥラー国王翻訳賞』に関する講演会があります。中世時代、アラブ文化が非常に発達していたころ、多くの学問が、アラビア語に翻訳されていました。今、アブドゥラー国王はまさに、そのような翻訳での知識の交流や異文化の相互作用の強化などを目指しているんです。日本の出版社の方々や大学の先生方、アラビア語に関心のある方々にぜひ聴いて頂きたいセミナーです。その後に行われる『サウジアラビア・日本-未来への対話-』では、「国内外におけるサウジ女性の挑戦」と題して、実際のサウジ女性の先生方にお話いただきます。また「サウジアラビアと日本」と題して、サウジ外務省の部長や大使にも話をしていただく予定です。さらに『高等教育と研究開発分野におけるサウジアラビア・日本間の戦略的パートナーシップ』では、サウジと日本の高等教育の現状や大学間に於ける協力体制の効率化に向けてお話しいただくべく、両国の教育関係者をスピーカーにお招きしシンポジウムを開催します。

※シンポジウムの詳細はこちらをご覧ください(PDF)
http://www.bookfair.jp/saudi-seminar.pdf

■ 出展ブースは見どころ満載!
~キッズコーナー、書道コーナー、オアシスステージ、サウジテント~

- ブースではどのようなコーナーを設置する予定でしょうか?

ブカーリ氏 :ブース内のテントでは日本語を流暢に話すスタッフが常駐し、アラビアンコーヒーとナツメヤシでのおもてなしをします。サウジの雰囲気を体験していただこうと思っています。さらに、サウジと他のアラブ諸国からの留学生と日本語での3Dナレーターによる解説をご用意しています。また、サウジの子供たちが読んでいる絵本や実際にお絵書きが体験できるキッズコーナーを設ける予定です。他にも、皆様のお名前をアラビア語でお書きする書道コーナーやアラビア書道作品の展示、民族衣装を着た方々と一緒に記念撮影のできる写真コーナーをご用意します。オアシスステージではサウジアラビアの伝統的な踊りをサウジの学生に披露してもらう予定です。

■ サウジの宝物とは・・・

今回、展示内容の話をしましたが、皆さんに一番会ってもらいたいのは、サウジ留学生です。学生さんたちが2、3年という短い間で、どこまで日本語や文化を理解したのか、それを見ていただきたいのです。サウジアラビアの本当の宝物は石油でもなく、天然ガスでもなく、人材です。サウジアラビア人に会っていただきたいのです。この学生さんたちと会うことを通し、日本とサウジアラビアの未来についていろいろと考えていただければと思います。 会場で日本の皆様にお会いできるのを大変楽しみにしております。

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