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TIBFを創っている人々 (インタビューシリーズ)

フィリップ ウェルク 氏
「アジアのブックフェアは東京」

クラビス社(ベルギー)
社長
フィリップ ウェルク 氏

今回は、ベルギーの児童書出版社クラビス社のウェルク社長です。北部ベルギーに本社、オランダ・アメリカに支社を持つクラビス社は、年間約180点を出版、児童書専門としては、比較的大きな会社です。TIBFには2004年より連続出展、日本やアジア諸国への版権販売の場として活用いただいています。今回はウェルク社長にTIBFに出展し続ける理由と2009年の出展方針をお聞きしました。

■ TIBFには日本はもちろん、韓国、中国、タイ・・・など「アジア」が集まる

- TIBFに出展したきっかけは?

ウェルク 氏 : 元々、ヨーロッパ市場を中心に事業を進めていくなかで、ふとアジアに目をやったら、日本、韓国、中国市場に版権を売る可能性があることに気が付いたんです。その中でも、重要なマーケットだと感じたのが日本。教育にとても関心を持っていて、親は絵本・児童書が重要だと感じている。そのことがあって、TIBFに出展しようと思ったんですよ。

- どのような来場者が目立ちますか?

ウェルク 氏 : 出展して気が付いたことは、日本、韓国、中国だけでなくタイからも来るし、とにかくアジアの国々の人が集まるのがTIBFだということ。(※注1)日本人は教養のある本、やさしい雰囲気のイラストが好きみたいだし、中国人は生き生きとした、カラフルなイラストがあるものを好むというような傾向はありますね。もちろん国ごとに好みがあるし、その好みに応じて様々な種類の児童書をいつもだいだい300点くらい用意しています。

注1:2008年のTIBFには、韓国、中国、台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、スリランカ、ベトナムなどのアジア諸国や英国、スペイン、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェー、オランダ、ギリシャなどのヨーロッパ諸国、そして米国、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジルなど世界50カ国から出版業界関係者に来場していただいています。

■ ヨーロッパで評判の新作を披露

- 今年の出展の見どころは?

ウェルク 氏 : 昨年、ベルギーの絵本作家のヒド・ファン・ヘネヒテンさんのサイン会をTIBFで開いたらとても好評だったけど、実はそのへネヒテンさんの絵本が、オランダの「ピクチャーブック(絵本)2010年」を受賞することになったんです。(※注2)オランダで人気があるからといって、日本で人気がでるかは分かりませんが、まだ日本で販売されていない、この本はおすすめです。他には、世界各国で翻訳出版されているイラストレーターのレオ・ティマースさんの絵本や、シリーズ物でイラストと写真を合わせて作った、子どもにとっても見て楽しい本など、たくさんの新作を持ってきます。(※注3)絵本だけじゃなくて、小説も持ってくる予定です。ブースはいつもオープンな状態で入りやすいように、心がけています。是非、今年も新しい出版社の人にもブースに来てもらって、クラビスの本を手にとってもらいたいですね。

「ピクチャーブック(絵本)2010年」受賞作品 “The Wobbly Bottoms Boogie”

「ピクチャーブック(絵本)2010年」受賞作品
“The Wobbly Bottoms Boogie”

イラストと写真が合体したシリーズ絵本 “Cuddly animals”

イラストと写真が合体したシリーズ絵本
“Cuddly animals”

注2:ヒド・ファン・へネヒテン 氏 ・・・ イラストレーター・絵本作家。「リッキ」シリーズ、「シロクマくん」をはじめ数々の本が既に日本で翻訳出版されている。「ピクチャーブック賞」は、自分ではまだ字が読めない幼児向けの読書推進として始まった取り組みで、オランダの図書館員が選出する。既に、へネヒテン氏のこの受賞本は、フランス、スペイン、韓国など7カ国で翻訳出版されている。
注3:今回ご紹介したクラビスの絵本をはじめ、出展社の版権情報をTIBF公式Web内に設置されている 「版権取引支援サービス」を通して、ご覧いただけます。また、このサービスで出展社と事前アポイントも簡単に取ることができます。版権商談に興味のある方は、TIBF公式ホームページ(http://www.bookfair.jp/exhibiting/merit01.html)を是非ご活用下さい。

- 来場者にメッセージを

ウェルク 氏 : 今、世界的に経済が落ち込んではいるけれど、次第に良くなっていくと思います。今まさに私たちがいるこの出版というクリエイティブな業界が、将来を作り上げていくと思っています。だから、是非来場者の方々にはTIBFに来て、フェアの将来性あふれるところに目を向けてもらいたい。今後、経済が活気づいた時、きっと「本」に対する見方というのが変わってくるはずです。

■ 一方で、日本のコンテンツも欲しい

- 版権を売るだけでなく、買いもはじめたそうですね?

ウェルク 氏 : そうなんです。もともとの出展目的は版権を「売る」こと。それは変わっていませんが、昨年から版権の買いを始めました。まだ始めたばかりです。昨年は日本の福音館書店さんとの取引が成立して、「あさえとちいさいいもうと」をオランダ語で今年の6月から出版することになりました。実は以前、この本はオランダで出版されていたもので、私の娘が大好きで、また出版することになったんです。

クラビスから翻訳出版された 「あさえとちいさいいもうと」

クラビスから翻訳出版された
「あさえとちいさいいもうと」

- 特に買いたいと思う、本はありますか?

ウェルク 氏 : ベルギー、オランダはヨーロッパの中央に位置しているから、色々な文化が交差しているところなんです。だから、幅広いジャンルで絵本や児童書を探しています。例えば、ノンフィクション本、あとはイラストがきれいなマンガも今後、買いたいと思っています。今年もたくさんの日本の出展社の版権を買いたいですね。

- 本日は、ありがとうございました。

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